読書ノート 『会計の世界史』

・田中靖浩著。

<銀行革命>
・14世紀、船乗りリズカーレ(リスクの語源)を助けるべく登場したのがイタリアのバンコ(銀行)。キャッシュレスサービス(為替手形)の提供を開始。
・キリスト教徒は利息(ウズーラ)を禁止されているため、異教徒のユダヤ人が担当。
・為替手形の決済のため、簿記が始まる(ヴェネツィア式簿記)。
・15世紀、内陸型・製造業(繊維産業)が繁栄をはじめ、組織(コンパーニャ)が誕生。

<簿記革命>
・ルカ・パチョーリ『算術、幾何、比及び比例全書(スンマ)』の中に27ページ、簿記の説明がある。
・メディチ家の与信管理は徹底した帳簿付けができたから。
・儲けの分配の計算のために簿記をつけた。

<会社革命>
・オランダ(プロテスタントが独立した国)の台頭。商売人の国であり、情報が集まる。
・市場(マーケット)が発展。
・1638年、チューリップバブル。
・1602年、世界で初めての株式会社、東インド会社設立。アムステルダムの取引所は、世界初の証券取引所。
・ストレンジャー株主が登場する。
・ストレンジャー株主への儲けの報告(account for)が、会計accountingの語源。
・所有と経営の分離。
・ずさんな会計、高すぎた配当、チェック機能の甘さで転落。売れ筋商品の見極めに失敗。
・ずさんな会計への対応として、財務会計・管理会計が充実、高すぎた配当への対応としてコーポレートファイナンスが登場、チェック機能の甘さへの対応としてコーポレートガバナンスの整備。売れ筋商品の見極めの失敗への対応としてセグメント情報の充実。

<利益革命>
・鉄道の始まり。固定資産が大きいことから、財務会計と管理会計の歴史を変えた。
・株主はマネーマニア度が高くなる。利益を平準化するために、減価償却という新ルールの誕生。
・発生主義は粉飾の始まり。黒字倒産も出てくる。

<投資家革命>
・アメリカで、監査(Audit=聞く)が始まる。デロイト、プライスウォーターハウスクーパーズ、KPMGなどは、イギリスの小さな会計事務所がアメリカへ進出したもの。
・アメリカの鉄道に資金が流れ込む。
・鉄道会社の破綻が多いため、経営分析ブームが起きる。ディスクロジャーも始まる。
・パブリック革命、USGAAP登場。

<国際革命>
・グローバル化で国際会計基準登場。

・会計500年をめぐる主人公の変化
 経営者本人のため→(イギリス産業革命)→株主・投資家のため
・時価か原価か
 金融が強い国:時価
 製造業が強い国:原価

・EBITDAの登場。利息、税金、減価償却、償却は国によって違うから引く。
 キャッシュに近い利益として注目、キャッシュへの回帰現象が起きる。

<標準革命>
・アメリカに線路をつなげることで、連結決算が始まった。
・標準レールによって連結する一方で、管区の設定。
・大量生産する企業において、管理会計が誕生。
・テイラーによる原価計算の始まり。

<管理革命>
・19世紀、テイラーの科学的管理法を会計に応用した標準原価計算が始まる。効率の重視。
・マッキンゼー教授の管理会計講座で、予算管理が教えられる。
・守りの財務会計(他人のため)に対し、攻めの管理会計(自分のため)。
・コストをいかに計算するかで管理会計は100年間悩んでいる。
・デュポン公式。ROI=P(利益率)×T(回転率)。GMへも導入。事業部制の始まり。

・管理会計100年を機に「型」(計画する・分ける・評価する)を見直そう。

<価値革命>
・産業シフトによって隠れた資産が増加(リース、人材、ノウハウ、ネットワーク・・・)。すると、バランスシートは会社の実力を表現しなくなる。
・期待リターンの合計=企業価値を計算するコーポレートファイナンスが誕生。

[読後感]
・会計の歴史は西欧近代の産業の変遷に依存している。
・産業や文化が違えば、別の会計が存在するのではないか。
・農業経営における管理会計は、鉄道や自動車の管理会計と同じでよいはずがない。
・新たな管理会計モデルが求められている。

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