竹炭でCO2を密封(H26.6.3日経)

これも今日の日経。

今年はエルニーニョで冷夏だそうですが、地球温暖化対策のための取り組みが増えています。

これは、竹炭を肥料にまぜることでCO2を減らすというものです。

竹は成長の過程で、光合成のためCO2を吸収しますが、ほっとけば枯れて、また大気中にCO2が放出されてしまいます。

そこで、竹を炭にして堆肥に混ぜると、農地にCO2が密封されるので、その分CO2が減るというわけです。

これをカーボンマイナスと言ったりします。

その堆肥で作った作物をブランド化して販売することで成功した事例です。

すばらしいですね。

 

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JR亀岡駅(京都府亀岡市)から車を走らせると、ほどなく現れる田園風景。どこでも見かけそうな畑のなかに、ちょっとした秘密が隠れている。作物を育てながら大気中の二酸化炭素(CO2)を減らす「カーボンマイナスプロジェクト」が進行中だ。

 手の込んだことをしているわけではない。利用するのは市内に点在する竹林。間伐した竹を熱して炭をつくり、堆肥に混ぜて農地にまくだけでCO2を削減できる。

 なぜか。通常、植物は光合成でCO2を吸収するが、そのCO2は植物が枯れて分解すると再び大気中に戻ってしまう。ところが炭にすると、CO2を炭素の形で固定できる。炭を農地にまけばCO2を土壌にとじこめられる。

 竹をトラックで運ぶ過程などでエネルギーを消費するが、これを差し引いてもCO2が減る。亀岡市などが2008年から始めたプロジェクトでは農地1000平方メートルあたり200キロ~300キログラムのCO2のマイナスを実現。自動車でガソリン約100リットルを節約するのと同等以上の効果をあげている。これまでにCO2換算で約50トンを農地にうめた。

 最も知恵を絞ったのは費用を賄う仕組み。プロジェクトには20軒以上の農家が参加し、炭素を埋めた農地でネギやジャガイモ、小松菜などを栽培。これをブランド化して地場のスーパー2店で販売する。京都銀行や大和ハウス工業などの支援も得て、年間売上高は約1千万円を達成した。取り組みを主導する立命館大学の柴田晃客員教授は「難しい技術は必要ない。途上国でも展開できる」と意欲的だ。

 竹に続く動きもある。梨の名産地である千葉県柏市では、剪定(せんてい)した梨の枝を炭にして農園にまく試みを進める。新しい梨のブランド価値をつくり、CO2削減にもつなげる。炭は土壌の水分や養分を保ちやすく、全国に広がる可能性がある。

 大気中のCO2を減らす「カーボンマイナス」では、農地など土壌の活用は欠かせない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も農地でのCO2削減効果に注目する。世界の土壌には有機物の形で1兆5千億トンの炭素が含まれるとされ、大気中の約2倍に達する。しかし森林や草原が開発され、土壌のCO2は放出が続く。

 農業環境技術研究所の白戸康人上席研究員は「地球上の植生を太古の昔の状態に戻せば、理論上は産業革命以来、人為的に排出したCO2をすべて土壌に戻すこともできる」と指摘する。

 白戸氏らは有機物の堆肥を農地にすき込むことによって、どれだけのCO2を削減できるか試算できるシステムを開発。インターネットで公開した。幅広い農業関係者らに利用してもらうのが狙いだ。人間による開発が始まる前に戻るのは無理でも、土壌の力を少しでも引き出せば温暖化の防止に向けた効果は大きい。