【補助金情報】サツマイモ基腐病対策

令和3年度補正予算のサツマイモ基腐病対策として、交換耕作する場合に、10aあたり30,000円を助成するということになりました(宮崎、鹿児島向け)。

そもそもサツマイモ基腐病とは何でしょうか。

基腐病は、Diaporthe destruens(ディアポルテ・デストルエンス)という糸状菌に感染することにより、苗床やほんで発生する。貯蔵中の塊根にも発生する。基腐病菌は、主に、感染した種イモや苗を植え付けることで圃場に持ち込まれる。(中略)収穫後は、圃場の罹病残渣中で病原菌が生き残り、次作の伝染源となる。発病株が少ないと、基腐病の発生に気付かないまま栽培を繰り返し、種苗や圃場の土壌の汚染が急速に高まる可能性がある。そのため、1年目はわずかな発病であったとしても、何も対策をとらずにいると、数年後には激発して収穫皆無となる恐れもある。

(独立行政法人農畜産業振興機構HP)

となっており、

2018年秋から、国内で初めて鹿児島県および宮崎県で広がり始め、熊本県、福岡県、長崎県、高知県、静岡県、岐阜県、群馬県、茨城県、東京都、千葉県、岩手県、愛媛県、福井県、埼玉県、山形県、石川県、北海道でも発生が確認され、全国で広がっており、対策が求められていました。

今回措置されたのは、「持続的畑作生産体系確立緊急対策事業」「甘味資源作物生産性向上整備事業」の2つです。

持続的畑作生産体系確立緊急対策事業

公募要領によると以下のとおりです。

事業内容(次期作対策)詳細
1 交換耕作の取組

・R3産で被害が著しい(反収が3割以上減)圃場を耕作した農業者が、専ら甘藷を作付けしていない農業者からH30以降甘藷を作付けしていない圃場を借り受けて、病気対策を行いつつR4産甘藷を栽培するために要する経費を補助する。

・補助対象面積は、被害が著しい圃場面積と、新たに借り受けた圃場のいずれか小さい面積

・補助率は30,000円/10a

 交換耕作体系確立のための体制整備

・交換耕作意向調査や話し合いに係る経費

・補助率は100%

3 継続栽培の取組

・R3産で被害が発生した圃場を耕作する農業者(被害発生圃場の割合が当該区域における甘藷作付面積全体の5割以上の県・市町村に限る)が、R4産の病気対策を行いつつ、甘藷作付けを継続するために必要な経費

・補助対象面積は、被害発生圃場面積と、加工業者と植付前出荷契約を締結した圃場のいずれか小さい面積

・補助率は減収割合3割以上の圃場は20,000円/10a、3割未満の圃場は10,000円/10a

4 サツマイモ基腐病被害軽減対策の実証

・実証計画の作成等の会議開催に係る経費等

・補助率は100%

応募できる者は、宮崎県か鹿児島県内の生産者の組織する団体、農協、農事組合法人、農地所有適格法人、特定農業法人、かんしょでん粉製造事業者、かんしょ加工品製造事業者等となっており、加工製造業者も対象になっていることが注目ポイントですね。

採択要件として、「作付面積1%以上増加「反収を10%以上増加」「病気が発生した圃場面積割合を10%以上削減」のどれか1つを成果目標として掲げる必要があります。

事業実施期間はR4.3.31まで。

公募期間は、R3.12.7~R4.1.7、九州農政局生産部園芸特産課あてとなっています。

補正予算が成立してから公募期限まで実質1週間くらいしかないわけです。

甘味資源作物生産性向上整備事業のうち「かんしょ生産性向上緊急支援事業」

まだ公募要領が出ていないようですが、農水省予算資料によると「サツマイモ基腐病を防除し、持続的な生産に必要なほ場条件の改善、健全な種いも・苗の確保、蒸熱処理装置の導入、他作物転換等を支援」となっており、施設整備面の補助が主体となるようです。


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