全農を株式会社化(H26.6.7日経)
今日の日経です。
全中の解体、全農の株式会社化はもう既定路線のようですね。
全中の解体はポーズだけのような気がしますが、全農の株式会社化は、独占禁止法との絡みがあるので、意味があるように思います。
農協の強みは、「情報力」にあると思っています。
各農家の情報を一番多く持っているのは、農協です。家族構成から収入、借金ほとんど把握しています。
その情報ネットワークを生かして、農業法人と連携していったら、けっこう農業も魅力が出てくるのではないかな、と期待しています。
農業委員会が農家の集まりから変更になると、農地転用は今より難しくなるのではないか、駆け込み需要があるのではないか?と思いますね。(今は転用しようと思えば、甲種農地でない限り、だいたい転用できますものね)
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政府は6日、今月まとめる農政改革の骨格を固めた。全国約700の地域農協を指導してきた全国農業協同組合中央会(JA全中)は3~5年でなくす。農産物の集荷・販売を事実上、一手に引き受けてきた全国農業協同組合連合会(JA全農)は株式会社への転換を促す。農業に参入する企業との連携をしやすくし、日本の農業の競争力を高める狙いだ。
週明けから与党内で調整のうえ、月内にまとめる成長戦略に盛り込む。今秋に見込む臨時国会か来年の通常国会に、農業協同組合法の改正案を提出する。
最大の柱はJA全中が地域農協を経営指導したり、監査したりする権限をなくす点だ。農協法から根拠規定を削除する。3~5年の移行期間を設ける案が有力だ。複数の農協がつくる「連合会」として改組する案があり、組織そのものは残る可能性はある。
JA全中は戦後の混乱期に赤字に陥った地域農協を立て直すために1954年に設立された。当時は農協の数が1万前後あったが、今は合併が進み、約700。今後の再編はすでに大規模化した農協に委ねるべきだとの声が強まっている。JA全中の政治力が農政の停滞を招いたとの指摘もある。
2つ目の柱は、JA全農の株式会社化。JA全農は地域農協が出資する相互扶助組織で、組合員である農家から農産物を集荷し、まとめて販売したり、肥料・農機具など農家の生産資材を共同購入したりする役割を担ってきた。こうした行為は本来、独占禁止法に抵触する可能性があるが、協同組合として適用除外を受けている。
株式会社になると、こうした恩恵が受けられなくなる。税制上の恩典もなくなる。この結果、民間企業との資本・業務提携など農業の競争力強化に取り組む機運も高まると政府は判断した。
規制改革会議は農産物市場のグローバル化をにらみ、JA全農を株式会社に強制転換するように提言した。政府は強制転換は求めないが、「本体の組織形態の見直しに道筋がつけば、全農は株式会社化する」とみている。
すでに全農の事業のうち、物流やコメの販売、青果物の加工など50近くの事業は株式会社化し、事業の効率化を進めているからだ。
地域農協が手がける住宅ローンなどの金融事業はこれまで通り認める。ただ現状では融資が焦げ付いた場合の責任も地域農協が負っているだけに、一部で撤退を模索する動きもあるという。農林中央金庫の代理業として窓口業務にとどめることもできるようにする。
政府はすでに骨格案をもとに与党と最終調整に入った。自民党内にはJA全中の廃止に慎重論がくすぶるが、石破茂幹事長は受け入れる考えを示している。来週、自民党農林部会などで了承を求める段取りだ。
政府は昨年まとめたコメの生産量を減らして米価を維持する生産調整(減反)の廃止に続く、農政改革第2弾として位置づけている。環太平洋経済連携協定(TPP)の妥結をにらみ、農業競争力の強化を急ぐ。
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