石炭火力からCO2回収 米が最大設備 H26.8.22日経

今日の日経の夕刊です。

原子力発電が止まった現在、日本でも石炭火力発電所がフル稼働しています。

石炭火力はCO2の排出量が大きいのですが、CO2を回収して、それを原油層に注入し、CO2を閉じ込めつつ、その圧力で原油を多く取るという手法がアメリカで使われているようで、それに日本企業が関わっているとのことです。

日本では課題が大きいそうですが、発想としてはいいと思いました。

 

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米エネルギー省は石炭火力発電所から二酸化炭素(CO2)を回収する事業で、三菱重工業などの日本企業と連携する。世界最大となるテキサス州の回収設備を含む2カ所の大型案件に補助金を付けたのを皮切りに導入を促す。オバマ政権はCO2排出量を減らす切り札の一つと位置づけ、環境に配慮した石炭発電所を活用していく。

 三菱日立パワーシステムズなどは7月、エネ省の支援を受け、米電力ケンタッキー・ユーティリティーズのブラウン発電所(ケンタッキー州)でCO2回収装置の建設を始めた。年内に完成し、米国内最大の回収プロジェクトになる。同省のフリードマン副次官補は「この事業は大統領の戦略の一環だ。低炭素経済の中で石炭を使い続けるのが狙いだ」と説明した。

 三菱重工業とJX日鉱日石開発などのグループも7月に、米電力大手NRGエナジーのパリッシュ発電所(テキサス州)で、稼働する2016年に世界最大となる見込みのCO2回収設備の建設を始めた。排ガスの9割に当たる年間160万トンを回収できる。

 回収したCO2はパイプラインで油田に注入し、圧力で油田に残った原油を押し出し、CO2をそのまま地下に閉じ込める。CO2貯留と原油増産を同時に実現する。

 米国は世界一の石炭埋蔵量を誇り、発電量に占める石炭依存度は約4割と高い。シェールガス革命で天然ガス価格が下がり、石炭依存は減りつつあるが、エネルギー安全保障の観点から既存の石炭発電所の活用が求められていた。

 米国は火力発電所から出るCO2を30年までに05年比で30%削減する方針だ。石炭発電所はCO2排出量が天然ガスの約2倍と多く、目標達成には大幅な設備投資が不可欠だが、電力会社は投資に及び腰だった。

 米エネ省はパリッシュ発電所のように、油田の近くの石炭発電所にCO2回収設備を積極的に設けていく。石油を増産すれば、課題だった回収システムのコストを実質的に抑えられる。

 中国も石炭発電所が多く、回収事業の導入計画を積極的に打ち出している。気候変動対策に熱心な欧州も多くの計画を公表してきた。ただ、欧州債務危機の影響などで具体的な導入は遅れているとの指摘もある。

 日本では経済産業省が北海道苫小牧市の出光興産の製油所からCO2を回収し、海底に埋める実験を進める。ただ、地震が多い日本では地下貯留したCO2を安全に封じ込められるのかが問われている。原油増産に適した油田も少なく、コストが課題だ。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるため、今世紀末までにCO2回収設備のない火力発電所を全廃する必要があると指摘している。

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