農業補助金について日経と日農の違い

今日の新聞に農業補助金のニュースが出ています。

日経ではこう書かれていました。

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経済協力開発機構(OECD)は4日、加盟国の農業政策を評価した報告書を公表した。日本の農家の収入に占める補助金など政府支援の割合は2011~13年の平均で54%と、ノルウェーに次ぐ2位。13年単年では日本が55.6%でトップだった。

 日本の農家支援の割合は1980年代や90年代に比べるとやや低下しているものの、OECD平均の約3倍。OECDは、生産への支援から農業の生産性や持続可能性の向上に重点を置く政策に切り替えるべきだと提言した。日本のほかに高い割合なのがノルウェーやスイス、韓国、アイスランドで40%を超えている。一方、オーストラリアやチリ、ニュージーランドは3%以下で、支援は研究開発や災害補償などに絞られている。

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だから、日本の農業は保護されすぎているんだ、という意見に誘導しようとしていますね。

これが日本農業新聞だとこうなります。(同じ内容のところは除く)

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保護水準が低下傾向

・・・OECDが毎年公表している農業保護額は「生産者支持推定量(PSE)」と呼ばれるもので、内外価格差に国内生産量を掛けた値に直接支払いの納税者負担を加えたもの。日本のように高品質な農産物を作ると高くなり、為替変動にも影響される。また、世界貿易機関(WTO)農業協定が定めた補助金の算定方法とは異なり、交渉には影響しない。

日本の13年のPSEは5兆2650億円。農家総収入に占める割合は56%で、86年の64%に比べれば減少しているものの、OECD加盟国の平均より約3倍高い。報告書は、PSEのうち内外価格差に相当する市場価格支持の割合が84%で、以前高水準にあると分析しちえる。

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いかがでしょうか。

日経は「政府支援の割合」と言っていますが、日農はきちんと「PSE」と書いています。

このあたりにスタンスの違いというか、事実認識の違いが表れています。

PSEについて、東京大学の鈴木教授はこう言っています。

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「日本の生産者が消費者のみなさんにいい物を食べていただきたいとがんばった努力の結果の『国産プレミアム』が含まれているわけです。たとえば、見かけはまったく同じで、国産のネギが中国産よりも少々高く売られていたとしても、国産の方を買う人は結構多いですよね。それこそ『国産プレミアム』です。しかし、PSEは品質の差をほとんど考慮していません。輸入牛肉を運んでくる輸送料と、港でかかる関税を足してもまだ内外価格差があれば、これは非関税障壁であり、価格支持が原因だという計算になっているのです。本当なら、日本の霜降り牛肉と、オーストラリアで草で育った肉とが値段が同じだったら、おかしなことです。」(『TPPを語る』より)。

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高品質なものをつくればPSEは高くなるものです。

そこを無視した議論は、生産性がないといえるでしょう。