農協改革の論点 H26.9.12日経
今日の日経からです。信用事業は分離せよということです。
以前、農協関係者から、「農家には危なくて貸せない」と聞いたことがあり、なんのための組合かと思ったことがありましたが、確かに、農協の金融事業(信用事業)は住宅ローンやマイカーローンが主流になっています。
一方で、農業用資材代の決済を信用事業が担っている面もあり、信用事業を切り離すと、農協というシステム自体が崩壊するように思うのですが、いかがでしょうか。
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農家以外の准組合員の増加は、農業協同組合の事業主体が本来の経済事業から信用(銀行)、共済(保険)の金融部門に傾斜している実態と表裏一体の関係にある。
東大教授などを務めた佐伯尚美氏は「住専と農協」で巨額の損失処理を迫られた住専問題と農協の関係に焦点をあてた。「農協が手掛ける金融は農業が中心というのが一般的なイメージだが、最近の実態はそうしたイメージとますますかけ離れてきている」と指摘した。
政府は当時、農協の合併や系統農協金融の2段階制への移行を軸とする改革策をまとめた。佐伯氏は根本的な問題である「農協内部で進行している『脱農化』傾向を完全に黙殺している」と批判。非農家など外に拡大する信用事業と、少数の専業農家に集約されていく農業関連事業は分離せざるを得ないと結論づけた。
今回の改革案で、ようやくこの事業分離が動き出す。地域農協(単協)の信用事業はJAバンク法の規定に基づいて農林中金・信連に譲渡し、単協はその代理店となる。改革案は農林中金などに、単協に支払う手数料などを早急に示すよう求めた。
農業以外の地域インフラを担う事業組織の分離を可能にし、株式会社や生活協同組合などへの転換も促す。農業以外に事業が拡散する現状は農協法の趣旨を外れるからだ。
JAグループ自身も改革策のとりまとめ作業に着手した。だが山下一仁・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は、制度や枠組みの矛盾を正すのは民間組織でなく、政府の責務だと強調する。
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