債権回収物語vol.11

債権回収

vol.10より続く。

 

競売の失敗談を。

ある長期延滞者がありました。この方はもう高齢で、農業はやっていけない状態です。

かといって、放置できる状況にないので、保証人たちを集めて面談しました。

ある保証人が、「保証人として責任があるのは分かるが、お金を払ってそれだけというのは納得できない。代わりに土地が欲しい」

と言い出しました。

法的にはなんら意味のない発言ですが、気持ちは分からないでもありません。

よって、

「担保物件を高めで買うなら、その相談に乗りましょう」

と応えました。

しかし、その担保物件、サラ金の抵当権が後順位に設定されていました。

こうだと、まず任意売買は無理です。高いハンコ代を請求されて終わりです。

そこで、競売申立することにしました。

当然、競売費用もプラスして保証人が払うというスキームです。

競売ですと、評価額がきっちり出ますので、それプラス競売費用、プラス保証履行分として、いくら請求しますので、よろしくね、という形でした。

そして競売開始決定となり、入札期間も決まりました。

そこで悲劇が起こったのですね。

 

なんで誰も気づかなかったんだろうと思うのですが、その保証人は農家ではなかった。

つまり、買受適格証明が出なかったのでした。

農地を競売するときに、入札する人は、農業委員会から「買受適格証明」をもらい、それをもって裁判所に行って入札します。

それが取れなかったのですね。

このお話はオジャンとなりました。

 

競売した物件は、知り合いの農家が買ったのでよかったのですが、保証履行についてそのあといろいろと話がもめました。

「早期整理のため」ということで、適当な金額で着地した記憶がありますが、苦い思い出です。

 

続く。