新規就農者や、既存の農家が活用したほうがいい補助金等はありますか?
まず、前提として、補助金ありきで事業を考えるべきではありません。
GOTOキャンペーンも、突然一時停止になり、現場は大混乱しています。補助金というのは、政府の意向によって、どうにでも変更されるものですから、これに頼ると、痛い目に遭うのは、昔から同じです。「猫の目農政」とも昔から言われます。
ですから、補助事業は、いつどうなるか分からない水物だと思って、検討することをお勧めします。
補助金には大きくわけて2種類あります。
運転資金的な意味合いのものと、設備資金的な意味合いのものです。
運転資金的な、というのは、新規に投資をするわけではなく、運転資金不足に対応するようなものだからです。マルキンなどです。
設備資金的な、というのは、新規投資に対する補助金です。
この2つは性格が異なるため、別のもの、と考えるのがよいでしょう。
設備資金的な補助金は、初期投資が対象ですので、その後のランニングコストは補助対象外です。
また、特に農水省関連の補助金は、グレードが高い設備になりがちですので、そのぶん電気代などのランニングコストが増える傾向にありますが、それは自己負担せねばなりません。
さらに、補助金適正化法というものがあり、補助事業で購入したものは、簡単に処分や譲渡ができなくなります。つまり、自由な経営判断が難しくなります。
従って、大型投資ほど、慎重に考えなければなりません。
さて、具体的にどんな補助金があるのか、というと、
国段階のものと、県・市町村段階のものがあります。
国の補助金といえば、以下が有名どころです。
- 認定新規農業者向けの農業次世代人材投資資金(運転資金的)
- 認定農業者向けの経営体育成支援事業(設備資金的、ハードルは年々上がっている)
- 6次化に取り組む農業者向けの6次化補助金
- 系統出荷が100%でない農業者向けの中小企業庁所管補助金(小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT補助金など)
補助金申請を採択するかしないかの審査基準は、農水省系と経産省系とで、まったく異なります。
県、市町村で、独自の予算で補助事業を運営しているところがあります。国の補助金より採択のハードルは低いことが多いでしょう。
熊本県では、法人が農業に新規参入するときの補助金や6次化を始めるときの補助金などを用意しています。作物によっては、独自の補助事業があることもあります。
市町村段階になると、農業が盛んなところか否かで変わってきます。
なお、従業員を雇い、雇用保険に加入しているところならば、厚労省の助成金となるでしょう。こちらは社労士が詳しいです。