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農業経営学(経営戦略と競争の基本戦略、多角化)

公開日: : 農業経済学

H14年度の東京大学農学部の「農業経営学」講義から抜粋します。

<経営戦略>

1)戦略(strategy)と戦術(tactics)〜中長期的計画と短期計画

2)経営戦略とは

環境に適応して経営の成長をはかり、また競争力を高めるための総合的な基本計画のこと。

・基本戦略:優位な事業領域の選択

製品・市場の組合せ

経営資源の組合せ

・機能戦略:研究開発、マーケティング、生産などの個別領域

3)経営戦略策定の背景

・問題発生型:市場・技術環境の変化により発生した業績上の問題に後追い的に対応しようとする動機(農産物輸入自由化や農産物価格の低迷)

→TPPなんかもそうですね。

・資源適応型:事業を継続的に展開していく過程で発生する未利用資源を有効に活用しようとする動機(農業労働力や機械・施設など遊休資源の活用)

→不耕作地の太陽光発電パネル設置が最近はやってますね。

・企業者型:事業機会を見いだしその事業領域へと進出しようとする動機(生産以外への新しい市場分野へビジネスチャンスを求めて参入)

→6次産業化などもそうでしょう。

4)H・アンゾフの製品・市場戦略

a)市場浸透:市場でのシェアを高め優位に販売する

b)市場開発:新しい市場を開拓する

c)製品開発:新しい商品を開発する

d)多角化 :新しい市場に向けて新しい商品を開拓する

市場/製品
市場浸透(シェア拡大)製品開発
市場開発(カロリー摂取のためだけのものから健康志向へ等)多角化(グリーンツーリズム等)

5)M・ポーターの競争の基本戦略

a)差別化:商品の優位性の主張

b)コスト・リーダーシップ:コスト低減

c)焦点:市場のスキマを発見する

 独自性低コスト
産業全般差別化コスト・リーダーシップ
特定の市場セグメント焦点焦点

 

多角化について、農産物価格の低迷や消費者ニーズの変化、流通制度の変化が背景にある。

多角化においては、生産者という立場を生かすこと、リピーターを確保すること、人材育成、専門家が鍵となる。

営業面では、口コミ、地域との連携、他事業体とのネットワークが重要。

多角化の効果としては、事業規模の拡大、経営資源の有効利用、リスク分散、波及効果(雇用、地域活性化)などがある。

課題としては、運転資金の確保、次の戦略、人材育成、原料調達の確保が主なもの。


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