消費者行動の理論と食料の消費1
農業資源経済学汎論の続きです。食料需要の理論についてしばらく見ていきます。
食料消費の決定要因は3つある。
1所得水準(実質所得)
2価格:自己価格と他財価格(代替財の価格)
3好み(選好) preference
経済学でいう選好とは、一人一人の違いよりも、集団での違いを言う。(20代と50代とで好みが違うとか)
1所得水準について
エンゲルの法則
消費に占める食料の割合が低くなる法則。
経済学的に言えば、食料消費支出の所得弾力性が1より小さい
食料消費E/所得I > 食料消費E+△食料消費E/所得I+△所得I ・・・※
つまり、所得が増えた分よりは、食料消費に回す分は増えないという意味です。
E(食料消費)=Pf × Df
Pf:食料foodの代表する価格
Df:foodの代表する買われる量
なので、※より、
Pf Df/I > Pf △Df/△I
これを加工すると、(△Df/Df)/(I/△I)<1 で、
所得が増えた分よりは、食料の「量」に回す分は増えないということになる。
こういう比較のやり方、2つの係数(EとI)の関係を知るときには、Iが増えた分Eは増えるのか、という弾力性の概念を用いる。単位の違うものを結びつけるのに有効。
で、このエンゲルの法則は、ペティークラークの法則を需要面から規定したもの。
エンゲルの法則は強い再現性があり、これは人間の本能に根ざしたものである。
2の価格
については次回。
3の好み
については、年齢(age effect)と世代(generation effect)と地域性で分けられる。
ミクロ経済学で定式化すると、、、(以下、表現が難しいので省略(笑)