障がい者雇用と農業 H26.8.12日経

今日の日経の夕刊です。

園芸療法というのが注目されたことがありました。

精神障害者が生きて行くうえでは、療養と生計を両立させる農業への雇用が有効だと思います。まさに医療と農業との連携です。

 

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働く障害者の活躍の場が広がっている。福祉団体の就労施設で農業を学んで後継者不足に悩む農家の作業を手伝ったり、企業で能力を評価され管理職になったりするケースも出てきた。地域や企業での役割拡大で、障害者の自立の道はさらに開けていくのか。

 「将来は農業で生計を立てるのが夢」。7月下旬、茨城県つくば市内にあるネギ畑で、精神障害者の中山健太郎さん(24)は雑草を取っていた。中山さんは、普段はNPO法人つくばアグリチャレンジ(五十嵐立青代表理事)が運営する農業関連の就労施設「ごきげんファーム」で働き、ネギ畑に有償で派遣されている。

 

賃金増目指す

 

 就労施設とは障害者が企業などへの就職を目指す職業訓練の場。同法人は2010年11月、後継者不足の農家と働く意欲のある障害者を結びつける狙いで設立、同ファームを開設した。精神、身体、知的障害者の計65人が働きながら農業を学ぶ。

 中山さんが働くネギ畑は地元の高齢農家の土地。「つくばの農家も若者の担い手が少なく農作業を手伝ってほしいという依頼は多い。障害者に対する見方も変わってきた」と五十嵐さんは自信を示す。同法人は自前で栽培した野菜を販売したり、全国に宅配したりもする。障害者はローテーションを組み働く。

 障害者の就労施設は、箱の組み立てや封入など下請け作業が一般的で低賃金に甘んじてきた。障害年金があるといっても親がいなくなったら生活の継続は難しく、国は障害者の自立へ賃金アップを施設側に促してきた。

 これを受けて、施設を運営する社会福祉法人やNPO法人が、事業範囲を広げて障害者の賃金を増やす試みがでてきた。農業支援や、車を運転できず買い物に行けない高齢者向けに食品を大型車で販売する「移動スーパー」といった取り組みが全国で相次ぐ。

 ごきげんファームの主要施設は国が定めた「就労継続支援B型事業」に当たり、障害者に月額平均2万5000円を支払う。全国平均は2012年度で1万4190円。中山さんはネギ畑で1日約2時間半、週5日働く。同法人は農家から日当1200円を受け取り、ファームでの賃金と一括で中山さんに支給している。五十嵐さんは「仕事を増やして賃金を増やす」と話す。

 障害者の活躍の場は企業でも広がる。福祉団体の就労施設や特別支援学校、ハローワークを経て企業に就職する障害者は、13年6月時点で40万9000人弱となり、10年連続で過去最多を更新した。障害者雇用促進法で定めた法定雇用率2%には満たないが、社会参加が進む中、ハンディをものともせず、活躍する人も出てきている。

 LIXILで受発注データのパソコン入力などの一般事務をこなす神谷靖史さん(42)はその一人。身体にハンディがあるとはいえ入力の速さと正確さは健常者と同じ。入社して4年目の1997年9月、嘱託から正社員になった。

 神谷さんが働く東京都江東区の本店ビルには38人の障害者がいる。そのうち10人は正社員。7月には本店敷地内にバリアフリー設計の障害者就労センターを新設した。同社は見学会を実施して、多様な人材が集まる職場を公開していく考えだ。

 キャリアアップの道も広がってきた。情報システム会社のJFEシステムズに03年1月に中途入社し、経理部で働く視覚障害者の南俊樹さん(37)は今年4月、管理職で3番目のポストである主任部員になった。

 

活躍できる社会へ

 

 簿記やシステムエンジニアの国家資格を持ち、経理のほか情報システムに精通する能力を会社は評価した。障害者で管理職になった例はまだ少ないという。「仲間の事務処理をチェックするなど仕事が増えた」と笑う南さん。部下との意思疎通にも支障はないそうだ。

 障害者雇用に詳しい人材紹介会社、インテリジェンス(東京・千代田)障がい者雇用促進事業部の大浜徹さんは「先進的な企業はトップのコミットがある」と話す。その上で「先進企業は障害者の働く意思と能力を把握し、どのように働かせるかのノウハウを持つ。経営陣の旗振りのもと、全社で取り組む体制が必要」と強調する。障害者がより一層活躍できる社会作りはこれからが本番だ。

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