自給飼料の増産 H26.8.27日農

H26.8.27の日農の論説です。分かりやすくまとめられていました。

畜産の離農が増えている要因の一つが、飼料費の高騰ですが、その対策として、飼料を自給するという方法があります。

その課題としては、「どこで」「誰が」ということなのですが、

茶園が放牧で繁殖牛に参入してきた事例は面白いと思います。

棚田もそういう観点からは、まだまだ資源として活かせる余地があるでしょう。

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高齢化や飼料価格の高騰で、畜産・酪農の生産基盤が揺らいでいる。農家戸数、飼養頭数とも減少傾向が止まらない。国産の畜産物を消費者に安定して届けるため、自給飼料の生産拡大にかじを切ろう。里山や水田の活用で国土保全にもつながる。飼料生産基盤に立脚した経営モデルを手本に普及していきたい。

離農の背景には、生産費の約半分を占める飼料価格の高騰がある。配合飼料の原料となる輸入トウモロコシや大豆油かすなどの国際相場は中長期に見て上昇傾向にある。輸入牧草価格も同様だ。しかも為替動向や異常気象による変動が大きく、経営の不安定要素となっている。

一方で飼料自給率は近年横ばいで推移している。2013年度の粗飼料自給率は77%、濃厚飼料は12%。割高な輸入に依存するほど農家の収益は悪化する構造だ。農水省によると、自給飼料の生産コストは輸入牧草と比べ6割程度安い。穀物の国際相場や輸入価格の変動にも左右されない。農家の収益を改善する自給飼料の生産拡大に力を入れるべきだ。

モデル経営として参考になるのが、第1回全国自給飼料生産コンクール受賞者の取り組みだ。日本草地畜産種子協会が主催し、先月7事例を表彰した。注目されたのが農水大臣賞を受賞した大分県で肉用繁殖牛の放牧に取り組む冨貴茶園の事例だ。茶園経営者が荒廃茶園の対策に導入し、低コスト・省力の周年放牧体系を確立させた。自力で開墾したバヒアグラス草地12ヘクタールを使い、子牛は出荷するまで親子で放牧する。販売子牛1頭当たり生産コストは20万円を切り、全国平均の半分以下を達成した。

放牧畜産への期待は大きい。北海道では周年屋外飼養を基本に粗飼料自給率100%を達成した酪農家も表彰された。大分ともに新規参入例であり、離農者が多い中で注目したい。そこには放牧技術を学びたいという若い人が集まってくる。地域農業の再生を証明する先進事例でもある。

自給飼料の増産を叫んでも、生産はどこで、誰が担うのかが課題だ。コンクール審査委員長で生物科学安全研究所理事長の萬田富治氏は「広大な奥山や里山などの傾斜地と、水田や畑」の二つを挙げる。両方とも高齢化が進み人手不足が深刻だ。そこで奥山や里山、棚田などは牛が担い手となる。人間ができなかった草の管理を牛が代わって行う。獣害対策になり、山の放牧は美しい景観を生み出す。生物多様性や家畜福祉の観点から付加価値が高まるはずだ。

平場の水田や畑は飼料用米や稲発酵粗飼料(WCS)の生産拠点とする。営農組織やコントラクターを組織して担い手を立ち上げる。家畜の糞尿を農地に還元し、循環型の有畜農業を生かしていくことができる。

担い手は全国どこにも存在する。優良事例を手本に行政や関係組織の支援が欠かせない。

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