農家のための農業経済学vol.2
courseraの西オーストラリア大学の「Agriculture,Economics and Nature」のテキトーな日本語訳です。https://www.coursera.org/learn/agriculture-economics-nature/lecture/vCvI3/video-course-introduction
第1週目 セグメント1 イントロダクション(Segment 1 Course introduction)
どうも、西オーストラリア大学のデイビッド・パンネルです。「農業、経済、自然環境」というタイトルのコースにようこそ。こういった問題について、これから6週間、楽しく学んでもらいたいと思います。もちろん、農業について扱いますが、農業生産や農業と自然環境の関係についても学びます。経済学的な視点から取り組んでみたいと思っています。そうすることで、農業や自然環境において、どんなことが起きているのか、どんなことが起こるはずなのか、深く理解することができるでしょう。
幅広い問題についてみていきます。例えば、農産物の価格は100年以上の間にどうしてこんなに下落したのか。そうした単価下落があるのにどうやって農家は農業を続けているのか。農業が今、あるいは近い将来に直面する大きな課題とは何か。肥料をどのくらい使うかについて、どのように農家は決めているのか、あるいはどう決めるべきなのか。今ある農業政策は、何を目的としているのか、どのように改善できるものか。農業によって悪影響を受ける自然環境をどうすれば守ることができるか。
このコースは6週間ですが、毎週違うテーマを扱い、8~10の短い講義・インタビュー・デモンストレーション・ケーススタディのビデオを用意しています。読みものもあるでしょう。毎週の小テストで理解を確かめて、最終試験に臨みましょう。
1週目では、農産物の生産量と価格、自然資源への依存について扱います。農業生産と価格の歴史を見つつ、これまでに起きた生産量と価格についての変化を説明します。2007年の世界的な食糧危機、土地・水・養分・農薬といった資源の使用の検証について見てみましょう。
2週目では、農業が直面する資源や環境の変化を扱います。水の使用可能量、リンの生産ピーク、農薬耐性、気象変動などです。
3週目では、農業投入の経済学について学びます。インプットとアウトプットの関係について調べるところから始めましょう。そして、農家の利益を最大にする投入(インプット)量の決め方を教えます。肥料などの投入量が環境汚染する場合、どのくらいの投入が適当でしょうか。最後に、水平なペイオフ関数を見ることで、投入量を柔軟に決めるにはどうするか重要な示唆が得られるでしょう。
4週目では、土壌保全の取組の評価や、利益とコストの正しい積み上げ方、儲けをあまり考えない農家の考慮といった土壌保全の経済学を取り上げます。農業保護のケーススタディもお見せします。
5週目では、農業ー環境のプロジェクトの経済学を学びます。一農家から広い地域について経済学の視野を広げてみましょう。典型的な農業ー環境プロジェクトの特徴を見て、費用便益分析の紹介をします。オーストラリアでのケーススタディは、ギブスランド湖の事例です。
6週目では、農業政策について扱います。農業を支援する政策、地域環境を守る政策を検証します。価格支持政策の問題点、バイオ燃料といった問題を見ていきます。最後に、農業政策の正当化の必要性、それは政策の種類によって異なることを考えます。
3週目と4週目には、2つの経済的な問題(投入量の期待値の計算、費用と便益の割戻計算)を通して、スプレッドシートの作り方を教えます。毎週、その週のトピックに関係する専門家(農家、農業科学者、農業経済学者、アドバイザー)とのインタビューを載せています。
もっと深く学ぼうと思ったときの材料もあります。フォーラムなどに参加して、毎週のクイズをやってみてください。さあ、始めましょう。